フィレンツェ美術館巡り(フィレンツェ-4) |
フィレンツェは15世紀にメディチ家の庇護のもと
多くのルネッサンス芸術が花開いた。
メディチ家(Medici)とは、銀行家、政治家として
フィレンツェの実質的な支配者として君臨し
後にトスカーナ大公国の君主となった一族だ。
その財力でボッティチェッリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどの
多数の芸術家をパトロンとして支援し
ルネサンスの文化を育てる上で大きな役割を果たした。
1737年、メディチ家最後のトスカーナ大公であるジャン・ガストーネが
後継ぎないまま死去し1743年には彼の姉であり最後のメディチこと
アンナ・マリーア・ルイーザ・デ・メディチはその死に際し
「メディチ家のコレクションをフィレンツェから持ち出さない」
ことを条件にすべての美術品をトスカーナ政府に寄贈する遺言を残した。
これによってメディチ家の収集品は散逸を免れ
このフィレンツェで見ることができるのだ、素晴らしいっ!
まずはイタリアルネッサンス絵画、最大のコレクションがある
「ウフィツィ美術館」
美術館の建物は1580年に竣工したフィレンツェの行政機関事務所だった場所
「ウフィツィ」の名はイタリア語の Ufficio (英語では offices )
どうりで簡素な建物←と言うほどでもないが
有名な美術館はルーブルやバチカンのように宮殿が多いのでそう感じてしまう。
見たかったのはボッティチェッリ(Sandro Botticelli)
「ヴィーナスの誕生」1485頃 「プリマヴェーラ」1477-1478頃
これです。
さらにこの美術館で人気が高いのは
ウルビーノのヴィーナス(1538年、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ)
受胎告知(1475-80年レオナルド・ダ・ヴィンチ)
次々と現れるイタリアルネッサンス絵画の名作。。。
「パラティーナ美術館」
トスカーナ大公の宮殿として使用された
ピッティ宮殿(Palazzo Pitti)内にある。
メディチ家を中心とした歴代の主が収集した絵画を中心に
当時の豪華な室内装飾や調度品とともに
1000点以上の美術品が公開されている。
中でもラファエロの素晴らしい作品が多い
「小椅子の聖母」「大公の聖母」「ヴェールを被る女性」
この時代に描かれた聖母の中で
ラファエロの聖母がいちばん優しい、「生」を感じる表情で好き。
(ルネッサンス以前の聖母はみな無表情だもん)
「アカデミア美術館」
ヨーロッパ最初の美術学校、フィレンツェ美術学校
(Accademia di Belle Arti Firenze)の美術館。
ミケランジェロの傑作『ダヴィデ像』が見たかった。
しかし他は興味をそそるものはなかった。
『ダヴィデ像』 で、、でかい、思っていたより。
しかも頭と手が体に対して大きくアンバランス。
素晴らしさを探そうとじっくり鑑賞。
Wiki によれば
力強さと若き人間の美しさの象徴ともみなされる作品であり
芸術の歴史の中で最も有名な作品と呼びうるのは本作をおいて他にない。
ーーーだそうで見る目がなくてスミマセン。
最後に
ーーーフイレンツェの美術館めぐり情報ーーー
事前情報で「冬はそれほど混んでいない」と聞いていたので
予約なしで行っては見たものの
やはり年末年始は別、そうよね、そんなに甘くはなかった。
☆ ウフィツィ美術館は夕方4時半に並んで40分待ち
(昼間はすごい行列だったのでやめました、多分2時間待ちくらい
この日は大晦日だった。)
☆ パラティーノ美術館は正午に行って15分待ち
☆ アカデミア美術館は朝9時に行って40分待ち
夏にバチカン美術館に行った時は3時間待ちだったので
比べたらこれはたいした待ち時間ではないけれども
やはり予約した方がいい。
フィレンツェの各美術館のインターネット予約は
ーーーコチラーーー
わたしのお薦めは「パラティーノ美術館」
ウフィツィの陰に隠れているようだけど
見事な室内装飾、そして豪華な作品がところ狭しと並ぶ
贅沢な空間でメディチ家の財力を実感して!
そしてカウントダウンを終え、元旦を迎え
ミケランジェロの丘で見たものは、、、つづく。